リノベーション作業 経過状況
2022/10/29
現在進行中のリノベーション現場になります。
元々この場所は、❝流し❞と❝居間❞の二部屋が引き違い建具で仕切られていたものでした。
今回のリノベーションの一部で、この二部屋を一室にするという、一見簡単で難易度の高い作業をおこなうことになっていました。
一般的に部屋を❝通し間❞とする工程において、柱を抜き取ることはよくあることです。
しかし今回は柱を抜き取りつつ、構造体である3本の梁を生かさなければいけません。
画像1枚目において、反対側に既存の梁2本が流れてます。
茅葺き屋根住宅にあるようなゴツい梁になります。
その梁状況の写真を撮りそびれてイメージが湧かないと思いますが、その梁の上にはさらに「二重梁」と呼ばれる梁が鎮座しています。
瓦を背負ってる屋根なので、梁にかかる荷重はそれ相応にあるんですね。
まずはそれらが下がらないよう、あらゆる手段で工面しました。
画像2枚目では正面から梁が流れてまして、2階の床組みを支えています。
これまた2階より上の構造体を背負ってます。
瓦荷重もあります。
この梁自体も下がらないよう工面をし、いよいよ3枚目の画像にある大梁を設置しました。
1丁設置してから同じ場所にもう1丁。
断面寸法105㎜×360㎜、長さは5,290㎜の梁2丁をドッキングさせました。
まさしく梁を『合体』させたのです。
大工経験史上、初の試みでした。
この作戦は見事に成功し、既存の梁材を保持することができました。
ただ単に新規の梁を貼り合わせたわけでなく、企業秘密的な細工は施してありますけどね。
この作業が終了したのち、床の解体作業に入りました。
職人の皆様方、ご協力ありがとうございました。
誰一人としてケガをすることもなく、無事に梁入れ作業ができたこと、感謝致します。